保険営業者のためのマーケティング&コンサルティング、ヒント集
 
 

 

 
 
 
 
 
 
 

保険営業者のための小さなヒント集

株式会社エフ・ビー・サイブ研究所
             
【Vol.104】顧客創造:顧客に“話を聞きたい”と思わせるポジショニング
             

 健康寿命の長寿化を背景に、生命保険が“当たり前に必要だ”という感覚が退いてしまった今日では、当然の帰結として、従来とは異なるアプローチが求められます。
 しかもそれは、“長寿化社会でもリスクはある”等と、社会通念に抗おうとするものではなく、長寿化云々に関わらず、とにもかくにも『あなたの話を聞いてみたい』と、顧客に思わせるものでなければならないでしょう。“もしも”の話題は、顧客サイドでは“聞き飽きたもの”かも知れないからです。
 では『話を聞きたい』と思わせるには、どうすればよいのでしょうか。法人経営者を対象にするケースで、ご一緒に考えてみましょう。

             
   
    【01】例:海外旅行の体験談を“聞く価値がある”と感じる時
   
       海外旅行に、1度や2度行ったくらいでは、その旅行体験を聞きたいと思ってくれる人は少ないかも知れません。しかし、毎年のように、しかも世界の“あちこち”を旅行している人の話なら、聞く価値があるという気になって来ます。
 自分が旅行する時に“参考”になる話が、たくさん聞けるかも知れないからです。たとえば、今“どこ”なら治安が良いのでしょうか。どこの国の税関なら、大らかなのでしょうか。食事は、ホテルは、交通機関は…、そこにはパンフレットやインターネットでは得られない情報が眠っていると期待できます。だから、旅の熟練者の話は、聞いてみたくなるのでしょう。
 もちろん、海外旅行の“経験者”の話だけが、貴重なわけではありません。
       
   
    【02】優秀な旅行代理店従業員がまとめる顧客の反響情報
   
       実際の“旅行体験者”にのみならず、たとえば、旅行代理店の優秀な店員が、顧客から聞き出した話は、魅力的かも知れません。しかも、旅行体験者本人よりも“情報量が多い”点で、違った魅力が感じられるケースも少なくないでしょう。
 ただ、その時、『この人は、自分が売りたい旅行の話をしている』と勘違いされないよう、旅行会社の店員は、旅行の魅力を宣伝するより、“旅行者の体験談”を紹介するべきでしょう。旅行を売るのは、顧客が“その気になってから”でなければならないし、実際“その気になってから”の方が、売り込みやすいからです。
 では、旅行代理店ではなく、保険営業で、まずは、法人経営者が『話を聞いてみたい』と思える状況は、どのようにして作ればよいのでしょうか。
       
   
    【03】保険営業も方向性としては同じ
   
       その方向性は、旅行代理店と同じで、“多くの経営者の体験談を語れる”ことに違いありません。前回の“経営事例”の話が、まさに、これに当てはまります。
 保険営業者の皆様は、毎年のように、あちこち海外に出掛ける旅行者と同様、たくさんの経営者と面談している印象が強いからです。しかし『他の経営者の話を、かいつまんで事例にする』と言うのは、少し”重過ぎる”かも知れません。
 そこで、今回は、法人を中心に保険料積立型の生命保険を売るAさんの話を、ご一緒に見て行きたいと思います。
       
   
    【04】保険営業者Aさんのケース
   
       Aさんは、自分で書いたのではない“経営事例レポート”を、定期的に経営者に届けています。時々、内容すら読まないこともあるようです。忙しい時期があるからです。
 しかし、発信先の経営者との面談時や電話で話をするような時、意識して『最近の事例レポートは、いかがですか。お役に立っていますか?』と、一言聞くことにしているのだそうです。
 もちろん”読んでいない”という反応もありますが、『今月の事例レポートは、私に通じるところがあるかも知れない』という類の話が聞けることがあるのです。そんな時、『社長に通じることって、興味深いですねえ。ちょっと具体的に聞いてもいいですか?』と、一歩踏み込みます。
 対話が盛り上がると、自然に関係は深まるのですが、Aさんは、そこに留まりません。
       
   
    【05】発信情報への反応を“事例”にしてしまう!
   
       Aさんが、別の経営者と話をする時、今度は『今月のレポートで、こんなことを指摘する社長がおられまして…』と、対話(反響)の内容を題材にしてアプローチを試みるのです。
 まだ、なじみの薄い経営者へのアプローチに際しても、同じ方法が使えます。しかも、そんな話を繰り返していると、少数の経営者の話を集約するだけでも、かなり“重厚感”のある“経営者の視点”になることが少なくないのです。
 たとえば『ある社長は、こんなことを考えて、こう言っておられるのですが、別の経営者は、こんなご意見や感覚をお持ちです。社長は、どう思われますか?』というアプローチもできるようになります。
     
   
    【06】情報発信内容が酷評されても“効果”に影響なし!
   
       もちろん、事例レポートの内容を酷評する経営者もいます。そんな時でも、Aさんはひるみません。だいたい“自分が書いたレポート”ではないのですから、『そうですよね』という共感スタンスで、どこが酷評ポイントなのかを聞き出せるからです。
 経営者の“生の反応”を得られれば、同じように、その反応を話題にして、『こんな風な経営者のご見解があるのですが、やっぱり社長もそう思われますか?』というアプローチができます。実際の“対話内容”が、アプローチの背中を押してくれます。
 そして、そんな活動を積み重ねていると、いつの間にか、経営者事例提供者のポジションを形成できるのです。それぞれの企業の“個別事情”に踏み込まなくても、特定のレポートに対する経営者の“反応”や“見解”が、“生きた経営者事例”の役割をしてくれるからです。
       
   
    【07】他の経営者が考えたり感じたりしていることが大事
   
       経営者の中には、だんだん『やっぱり今、パワハラについては、気を付けようというムードが広がっているよね。この前もらった事例レポートに書いてあったけど…』などと、レポートの内容に反応を返す経営者も出て来ます。それもまた“生きた経営者事例”です。
 つまり、一つの“〃弍調慙▲譽檗璽”を、“∧数、あるいは多くの経営者に発信”し、“5_颪△訶戮亡響曚箘娶を具体的に聞いて”“ぢ召侶弍勅圓謀礎する”だけで、ちょっとした“経営通”になれるということです。
 難しい経営論より、『今、他の経営者は、この問題をどう感じているのか』を知るだけで、経営者にとってはそれがヒントになるケースが少なくないからです。
       
   
    【08】役に立つ情報提供より“反響を聞く”ことが大事
   
       そうすると、『この事例レポートは経営のお役に立ちます』と、正面切って売り込む時より、むしろ“経営者集団の中で、たくさんのお話を聞いている”保険営業者の存在感を、アピールしやすくなるのではないでしょうか。
 特に“高度情報化社会”の現在、情報の提供に留まらず、“類する人達の反響”を伝えることが、存在感を高める秘訣になり得るのです。もちろん、義務のように行う必要はありません。いつもいつも“反響”を聞いていたのでは、聞く方も聞かれる側も、精神的に疲れるからです。
 情報発信自体は熱心に継続し、反響を聞くのは時々にするのが“ミソ”です。
     
   
    【09】むしろ、情報の内容よりも“重要”なものとは…?
   
       もちろん、たとえば、自社株にかかる相続税贈与税の納税猶予制度への取り組みのように、事例の内容自体が、保険提案の糸口になるケースはあり得ます。しかし、大事なのは“内容”ではなく、情報発信で“〇例提供”をし、“何人かの経営者の生の声を聞いている”という“状況”です。
 ただし、もちろん、そのためには、情報の内容が、賛同されるかどうかに関わらず、経営者にとって気付きが得られる“刺激的”なものでなければならないでしょう。通り一遍の無難な情報では、意味がありません。
 そして、そんな情報発信継続が『ああ、最近、こんなことをおっしゃる経営者が増えて来ましたね』という、経営事例、あるいは経営者事例を提供するキーマンとしてのポジションを形成してくれるはずなのです。
 他の企業の経営事情や経営者の感覚を、なかなか身近に聞くことができない経営者にとって、あるいは、書籍やニュースのような一次情報ではなく、経営者の反響という興味深い情報を入手する機会が乏しい経営者にとって、そんな“情報”や“事例”の提供者は、下に置けない存在になるはずです。
 話を聞いてみたくなると言うより、話を聞くのが自然になるかも知れません。ただ、そんな“事例提供”が、生命保険提案と“どう”繋がるのでしょうか。
     
   
    【10】経営者の反響話題の一環として生命保険も語り切る
   
       そんな“経営者向けの情報発信者のポジション”をとると、『そうそう、こんな生命保険を法人契約した経営者がおられまして、その目的を、こんな風におっしゃっていました。社長、どう思われますか?』という話題の切り出しも、自然になって来るはずです。
 経営者の反響話題の次に、保険の話を切り出すのではなく、反響話題の一環として保険を語るわけです。生命保険も“経営の重要な道具”の一つですから、保険の事例だけを特別に警戒する必要はありません。
 ただ、そんな風に、経営者に話を持ち掛けやすくするには、どうしても“保険情報以外”で発信する情報を営業者の皆様は持つべきでしょう。そんな発信情報を持たずに、保険の話を聞く姿勢を、顧客に持たせようとするのは、こう言ってよければ、無理な話なのかも知れません。
 もちろん、情報発信の重要性や活用法は、経営者以外の見込先形成にも使えるはずです。ただ“個人市場のマーケティング”の話は、別の機会に譲りたいと思います。
     
     
     
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