保険営業者のためのマーケティング&コンサルティング、ヒント集
 
 

 


 
 
 
 
 
 
 

保険営業者のための小さなヒント集

株式会社エフ・ビー・サイブ研究所
             
【Vol.097】顧客開拓:答を示して“説得”するより“問題を共有する”方が効果的?!
             

 マッチ棒クイズをよく見かけます。たとえば右のように、マッチ棒で数式を作り、“正しい式になるように、1つだけマッチ棒を動かしてください”という類のクイズです。
 答は簡単ですが、確かに“こんな内容”でも、顧客との関係は作りやすくなるかも知れません。しかし、これを単なる“一発”クイズに終わらせない視点や方法があるとしたら、もっと“関係形成”は、促進されるかも知れません。
 そこに“現代的な顧客関係形成法”の秘密が、見つかりそうなのです。

             
   
    【01】とても簡単に見えるクイズ
   
   
 クイズの答としては、申し上げるまでもなく、“5”の左上の縦向きのマッチ棒を、右に動かして“3”にすれば、“3+1=4”という正しい式になります。こんな簡単なクイズでも、答が“分からない”ので“知りたい”人からは、『答を教えて欲しい』という依頼が得られるでしょう。クイズ、すなわち“問題の投げ掛け”には、“関係形成の発端を作りやすい”という効果がありそうなのです。
 そんなクイズ効果が期待できるクイズでも、いったん“答”が分かってしまえば、それまでです。アプローチ先は『だから、どうした』という気分に陥るかも知れません。しかし、クイズを“一過性で終わらせない”方法が、大きく分けて2つあるのです。
     
   
    【02】答は1つではなかった?!
   
   
 その一つが『答は他にもありますよ』という、いわゆる“気付き”の誘発です。クイズの条件は“マッチ棒を1つだけ動かす”というものでしたから、“+”記号を形成するマッチ棒の内、縦のものを“この場から場外に動かしてしまう”と、ここに“5−1=4”という“正しい式”が出て来ます。
 『1つのマッチ棒を移動するのではないのか』と言われても、『今、何ごとにも柔軟な発想が必要ですよね。“動かす”という言葉は、柔軟に解釈されるべきです。たとえば保険検討でも、柔軟に考えるなら…』と、保険の話につなぐ道筋が見えて来るのです。
 ただ、それでも“関係は一過性”かも知れません。そこで“2つ目”の方法を考えます。
       
   
    【03】クイズを考えるのではなくクイズを作るとしたら…
   
       2つ目の方法は、クイズを出して答を考えてもらうのではなく、『クイズを作るって、案外楽しいですよね。ご一緒に(クイズを)作ってみませんか』と誘いかける方法です。もちろん、皆が皆乗って来るわけではないでしょうが、“誘い”としては魅惑的でしょう。長く、そして深いコミュニケーションを始められる予感も生まれます。
 ただし、ここで重要になるのは、誘った側が、次々に“新しいクイズのサンプル”を出せることでしょう。『さあ、クイズをご一緒に考えましょう』と言っておきながら、『なかなか思いつきませんねえ』となってしまうのでは、先が続きませんし、相手は非常にがっかりするでしょう。それどころか、アプローチ先は、別の人とでクイズを考えてしまうかも知れません。
 さて、この話の“どこ”に“現代的な顧客関係形成法の秘密”が隠れているのでしょうか。
       
   
    【04】発見 Ю飢鬚鬚屬弔韻討盒縮は引けない
   
       まず重要になるのは、顧客に“3+1=4”とか“5−1=4”等という“答の決まった話”をしても、顧客が振り向かないのは当然かも知れないということです。『生命保険はこんな時に重要だ』と言っても、その話に顧客が“ピン”と来ない限り、聞く姿勢にはなりにくいということです。
 保険の良さやメリットをアピールする“説得話法”は、現代人にはなかなか通用しないのです。それが“第1の発見”だと言えます。しかし、なぜ通用しないのでしょうか。
       
   
    【05】いきなり“保険メリット”を語っても…
   
       たとえば、『壮年期の死亡と晩年の生活の“両方”に備えるには、保険料積立型の生命保険が一番だ』という“正解”を出しても、聞き手には、それが“答”にならないことが多いのです。なぜなら、詳しい情報や見識がない顧客には、『その“正解”は本当だろうか』という新たな“疑問(問題)”に化けてしまうからです。“答”は、その場で納得されない時には、新たな“問題(疑い)”の元になるということです。
 しかも新たな“問題”を感じた顧客は、その“正解”の提供者ではなく、他の人やインターネットで“疑問解消法”を探しかねません。その時、運よく『本当ですね。あなたは正しい』となったとしても、その人は“自分の疑問を解消してくれた先”との関係を深めがちです。
 それ以前に、たとえば企業経営者が税理士先生に“相談”する時のように、営業者の皆様に“不利”な指摘をする人に“信頼”を寄せてしまうことも、少ないとは言えないでしょう。
     
   
    【06】発見◆Ю飢鬚“選択肢”があれば状況は変わる
   
       しかし、“5+1=4”という式を、“3+1=4”と答えた人に、別の答、つまり“5−1=4”を提示するなら、コミュニケーションは“答”の提示では終わりません。それは単に“答が2つある”という事実に留まらず、“1つの答で満足せずに柔軟な発想に努めるべきだ”という“新たな話題”に、話の重点が移行しているからです。
 これは“選択肢提供型話法”と呼ばれるもので、たとえば“既存契約保険”のチェックをする時も、『この保険は問題だ。こっちの方が良いですよ』と“答”を提示するのではなく、『こういう別の保険もあるのです。ちょっと両者を比較してみましょうか』と、新旧保険を対比し、顧客に“選択の機会”を提供することに努めるわけです。
       
   
    【07】闇雲に“答”が出ると“迷い”が始まる!
   
       既契約保険を悪く言うと、コンプライアンスに触れる以前に、それを契約した顧客の判断を否定することになり、“関係”が必ずしも良くなるとは限りません。
 もちろん、既契約保険云々ではなく、見込み先に新しい契約を勧める時も、たとえば“終身保険”と“超長期定期保険”と“養老保険”を提示して“選んでもらう”状況を作り出すと、コミュニケーションが軽くなる上に、話を進めやすくなることが少なくありません。
 1つの保険では、先に申しましたように、まさに“その1つの保険を選んで良いのかどうか”という問題が生まれますが、3つの保険を検討して出した答なら、問題を経過して至った結論ですから、顧客にとって“落ち着きが違って来る”からです。
 保険商品を絞り込んで、説得話法で売り切るのは、まさに“営業のだいご味”ではありますが、信頼関係ができなければ、なかなか売れなくなった今日、“だいごみ味”を諦める部分も、必要かも知れません。
       
   
    【08】発見:問題を共有すると独特の関係が生まれる
   
       更に重要なのは、“問題”と“答”のキャッチボールや“選択肢提供”を超えて、“問題共有”に努め始めると“良好な関係形成”が実現するケースが少なくないということです。
 たとえば“相続(争続)対策”に際し、ただ“受取人指定の生命保険”を“答”として勧める前に、“子が争う悩み”を共有すると、関係の広がりが生まれやすくなるからです。
 関係が形成されれば、結果として、生命保険のみならず、先進医療保険やがん保険の提案にもつながるかも知れません。私たちは“問題を共有”してくれる人を、非常に“深い友”と感じる傾向があることを忘れるべきではありません。答を教えてくれる先生より、問題を共有する学友を《信頼》するのは、そのためでしょう。
     
   
    【09】不可欠なのは“問題の特定”に役立つ対話
   
       もちろん、単に“愚痴を聞く”だけでは関係は前に進みません。それどころか、保険営業者の皆様にとって、愚痴ばかりを言う顧客は“重荷”になるだけでしょう。
 問題共有で大切なのは、単に聞くことではなく、“問題特定のために助言する”ことです。なぜ、兄弟姉妹は“相続”で争うのでしょうか。それを解き明かさなくてはなりません。そして、その際にも重要なのが、選択肢提供型の問題共有なのです。
 その原因は“これだ!”と、“答”をぶつけるのではなく、『こんな話を聞いたことがあり、その事例を知っていますが、お話ししましょうか』というスタンスで、問題絞り込みの“選択肢”を提供するわけです。
 『問題は解決しなければ意味がない』と言う人もいます。しかし、強引に問題を解決しても、そこから別の問題が派生するケースも少なくないのです。無理に解決を急ぐより、問題を特定し、様子を見ながら、時宜に応じて対応を考える…、それが“助言者”のあり方なのかも知れません。
     
   
    【10】実は“答”よりも“問題”の方が重要?
   
       いずれにしましても、“答”よりも“問題”の方が重要なのが、私たちの“生き様”の特徴だとも言えそうなのです。私たちは“答”が分からない時より、“問題”が見えない時の方が、不安やストレスが大きいとも言えるからです。
 そのため、急いで“答”を提供しようとせず、答の選択肢提示を試みたり、問題共有に取り組んだりする方が、あるいは“しようとする”方が、ストレス社会に生きる現代顧客にアプローチしやすいとも言えるのです。
 しかも、その“選択肢設定”や“問題把握”に、“保険営業者らしさ”が現れるなら、保険の話につなぎやすいばかりではなく、顧客の安心感を獲得しやすくなります。なぜなら、そこに“保険営業で培ったプロ性”を感じることができるからです。
 そんな視点から、顧客アプローチを見直してみるべき時に、今、来ているのかも知れません。
     
     
     
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  ⇒説得話法や関係形成話術が通じない先に投げ掛ける
   【 “疑問共有”型の直球トーク 】(2017年リニューアル版)
    http://www.e-hint-ins.jp/tool/tool05.html
   
  ●教材一覧は以下をご覧ください。
    http://www.e-hint-ins.jp/mediatop.html
       
       
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