保険営業者のためのマーケティング&コンサルティング、ヒント集
 
 
 
 
 
 
 
 
 

保険営業者のための小さなヒント集

株式会社エフ・ビー・サイブ研究所
             
【Vol.028】総合戦略:大きな“社会不安”の中で“これから”をどう考えるか?(1)
             

  四半世紀前の“オイルショック”の時期には、“日本経済がつぶれる”という危機感があった半面、省エネ・省力化や高度技術化、あるいは軽薄短小で“生き残れる”という希望もありました。そして、その後の円高で、私たちは海外投資のうまみを覚え、国際化にこそ将来があると思えました。
  しかし今、日本中に脱力感的な社会不安が広がっているかも知れません。国家のリーダーは“進むべき方向”を示せないまま、どっちでもよい“政争”に明け暮れ、産業界のリーダーは、円高で“国内生産”を見放そうとしているかのようだからです。もはや、アメリカ頼みにも限界が来ているようです。
  そんな中で、ユーザーの“保険離れ”がますます進行してしまう懸念がぬぐえませんが、こんなムードに立ち向かう“打開策”はあるのでしょうか。


             
   
    【01】 月3兆1千億円のローン支払い
   
        日本の公的負債(国と地方の長期債務残高)は、すでに900兆円規模に達していると言われます。これは借金ですので、返さなければなりません。そこで仮に“住宅ローン”のように、年金利を1.5%にしてもらって、30年で返済しようとすると、月当たりの“ローン支払い額”は、3兆1千億円に達してしまいます。
  年間では、その12倍ですから37兆円になるわけです。平成22年度の予算では、国税で約38兆円、地方税で約34兆円程度の“税収”しかありませんし、今、それでも単年度で“赤字”なのです。その上更に、今の国税(所得税や法人税)と同規模程度の額を(返済金として)新たに負担して、それでようやく30年で借金を帳消しにできるという“巨大な負債”が、そこに存在しているわけです。
  もちろん、金利が2.5%に跳ね上がると、年間の“ローン”は43兆円にまで跳ね上がります。
       
   
    【02】 1,400兆円の“没収”?
   
        こうした“爆弾”を抱えては、どんな偉人がリーダーになっても、“負担増なき”将来設計などできないでしょう。愉快なビジョンなどはあり得ないということです。もちろん、日本には個人金融資産が1,400兆円あると言われるため、海外から見ると『将来のために貯めてある個人資産を、将来の負担である公的負債返済に使えばいい。日本の財政は長期的にはバランスしている!』などと、無責任に言えそうです。
  しかし、そんなことになると、国内では“個人の金融財産”が、公的借金返済のために“没収”されることになります。それが露骨な没収であれ増税であれ、混乱は避けられません。『日本人なら何とかするんじゃないの?』程度にしか日本に興味も関心もない諸外国は、たぶん、その程度の軽い認識で“円”を買い続けているのでしょう。 私たちは、大きな痛みを抱えながら、それでもなお、更に欧米の尻拭いをさせられるかも知れません。
  こう考えれば、確かにもはや『ただでは済まされない事態』が進行中なのです。
       
   
    【03】 “損をする”ことは確実!
   
        漠然とした社会不安など、今やむしろ“手ぬるい”感覚でしかないかも知れません。不安はすでに現実になっているからです。しかし、同時に将来に“絶望”するのも、あまりよい考えではないのです。なぜなら、過去にもしばしば危機が起き、前世紀には大戦争さえありましたが、それでも“社会=人の日常的な暮らし”は、継続してきているからです。
  もちろん、被害が一部に集中した時、それを受ける側は尋常ではなくなりますが、一般に“危機”とは“損をする”ことであり、“破滅”することではありません。そして、冷静に損を感受するなら、過ぎ去るものでしかないのです。歴史がそれを証明しています。
  逆に“損をしたくない”とカタクナになるなら、“危機”は“破滅”に見えるでしょう。破滅に見えて絶望すれば、冷静さを失って、本当にすべてをなくしてしまうかも知れません。
       
   
    【04】 そう考えると気が鎮まるかどうか…?
   
        “危機”が“損をすること”なら、まず、自分は“どこまで損に耐えられるか”を知る必要があるでしょう。あるいは、どこまで“必要以外のもの”を切り捨てられるかを考える必要があるのです。“危機”は、本来の“必要”に戻るための“調整作用”なのかも知れません。
  もちろん道徳を説くために、こんなことを申し上げるのではありません。もし、私たちが少しでも冷静になれるなら、“冷静な考え方をする客”を探すようになるのではないかと申し上げたいのです。危機に際し、皆が“保険”を投げ捨てるわけではないからです。ただ、“少しでも損などしたくない”と考えている欲深な層が、パニックを起こし、必要なものまで投げ捨てるだけかも知れません。
  そう考えると、気が鎮まるかどうか、ご自身に問うてみていただきたいと思います。これから起こり得る“大惨事”も、要するに“損をする”だけのことなのです。
       
   
    【05】 危機に際して“大きく”構える2つの視点
   
        ただ、“保険はお得ですよ”という営業で集めた顧客層の保険への関心は、すでに凍結しているでしょう。保険の“ほ”の字も聞かないはずです。そして“損をする”ことが必至なのですから、冷静な考え方をする人の中にも、“仕方なしに保険を投げ捨てざるを得ない”人も出るでしょう。市場は確かに大変な様相を示します。そして保険会社も、一部では“成り立たなくなる”懸念もあります。
  そして更に、“保険営業”に従事する人たちからも、“投げ捨てられる層”が出てしまうでしょう。だからこそ申し上げたいのです。こんな時は、大きく構えることです。
  そして、その“大きく構える”ことの第一が、“‖擦寮認”なのですが、第二は少し説明が必要かも知れません。
       
   
    【06】 共感できる“ヒト”との出会い探し
   
        筆者は1988年以来、それまで蓄積した業績を一気に奪われるという経験を、数回にわたり経験しました。阪神淡路大震災にも遭遇しました。その時、新たな道を開いてくれたのは、毎回“人とのつながり”だったのです。“人とのつながり”の中で、従来では考えられなかった道が開けました。
  金銭のような分かりやすいものでも、奪われる前より、“人との新たなつながり”の中で得たものの方が、常に多かったように思います。金銭以外の目に見えない“宝”は、申し上げるまでもありません。
  つまり、大きく構えることの第二は、“共感できる人探し”なのです。もちろん、皆様方が共感できる相手です。あわてて営業しようとせず、“人との出会い”の方に、むしろ貪欲になることです。会ってみたい人には会いましょう。行ってみたいところへは行きましょう。目先の業績を気にする時ではないかも知れません。
  逆に“危機”とは“損をしながら変化をし、新たな機会を得ることだ”と考えれば、驚くほど冷静に事を運べるものだと言う気がします。そして、驚くことに“目先の業績”が整い始めます。もちろん、時間はかかりますが…。
       
   
    【07】 “自分”を見失わなければ…
   
        世界の日本への期待を維持するために、私たちは個人の金融資産を投げ出して、日本経済のバランスを回復させるとともに、円高などを通じて世界経済を支えなければならなくなるかも知れません。そして、その時は、破産者や破綻企業が続出し、社会は一時、ひどく混乱するでしょう。しかし、そんな中でも“社会全体”のことはいったん忘れ、“身近にいる共感できる人”の役に立とうとするなら、必ず“道”が開けるはずです。
  しかも、奪われたようで、案外何も失っていなかったりもするのです。客層さえ選び間違わなければ、保険営業ビジネスも“普通に続く”かも知れませんし、新たな魅力的な活動に取り組んでみたくなるかも知れません。結局、泡のように消えて行くものは、『ああ、最初から自分のものではなかったな』などと思えれば、悠々と危機を生き抜くパワーの源を得たことになるはずなのです。
       
   
    【08】 次回は実践的に考えてみよう!
   
        ただし、こうした危機的状況の中では、共感者を見つけるにせよ、保険を売るにせよ、“アプローチ”姿勢が非常に大事になります。営業者の皆様が心構えさえ持てば良いというものでもないかも知れないのです。
  そこで次回は、“こんな社会での顧客アプローチ法”を、改めて実践的に、もっと“ドロドロ”とした感覚の中で、考えてみたいと思います。
       
       
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