保険営業者のためのマーケティング&コンサルティング、ヒント集
 
 
 
 
 
 
 
 
 

保険営業者のための小さなヒント集

株式会社エフ・ビー・サイブ研究所
             
【Vol.032】総合視点:“保険の見直し”を勧める前に“営業トーク”を見直そう!
             

  なかなか有効な“トーク”が見い出せないとしたら、それは従来タイプの“応酬話法”のイメージが強過ぎるからかも知れません。保険ユーザー、特に生命保険ユーザーとなる年齢層の価値観は、すでに大きく変わっています。
  保険営業者の皆様がユーザーに“保険の見直し”を勧めるように、皆様ご自身が“トークの見直し”に取り組むべき時に来ているのかも知れません。


             
   
    【01】 応酬話法が効果的だった頃
   
        保険の中でも、特に生命保険は『絶対必要か?』と問われて、『必需サービスだ!』と言い切れる環境ではなくなりました。もちろん、そもそも生命保険が“必需”だったことなどなかったかも知れません。しかし逆に、かなり長い間『生命保険など必要ない』とも言えない状況だったのです。
  なぜなら、少し“誇張”して言うなら、生命保険を考える“余裕”は一種のステイタスだったからに他なりません。つまり『(生命)保険はいらない!』と言い切ると、結果として自分の経済的余裕のなさや、家庭や事業の中での重要度の低さを“象徴”してしまい、口にできないばかりではなく、自分自身でも“認めたくない”ことだったということです。
  そのため、保険営業トークも、“ああ言えばこう言う”式の“応酬話法”によって顧客の“微妙な心理”を刺激することで、効を奏することが多かったのでしょう。“自分は生命保険の契約さえできない”と認めたくないユーザーに“覚悟”を迫るには、極論すれば、“(契約しない)言い訳”を全部つぶしてしまえば良かったからです。
       
   
    【02】 言い訳つぶしの“応酬話法”
   
        たとえば『もう少し、余裕が出来たら生命保険を考える』という顧客には、『若いうちに契約した方が、結局月々の負担は軽くなる』と言い、『うちの妻は生活力があるから…』と逃げる顧客には、『配偶者の死亡時に仕事などしていられますか?』と問うて、『万が一残された配偶者が仕事ができなくなった時のために“緊急資金”は必要だ』などとも言えました。
  しかも、その際、返す刀で『そうそう。同じことがご主人にも言えますね。奥様が万が一の時、看病やお子様の世話で、仕事どころではなくなるかも知れません。奥様を被保険者とした生命保険も、案外重要なのですよ』とも言えたでしょう。
  応酬話法は、顧客が“話のタネ(ネタ?)を蒔いてくれる”分、それをうまく逆手にとって活用すれば、結構パワフルなトークになったわけです。ところが、今はどうでしょうか。
       
   
    【03】 応酬話法が効かなくなった昨今の事情
   
        最近では“ステイタス”という言葉自体が“死語”になりつつあるかも知れません。それは長く不況が続いたからと言うよりも、“本音で生きる方がカッコいい”とさえ思う自然発想人が増えたからです。
  実際には、そんな“本音人”が増えたわけでもなさそうですが、一部の本音人の存在で、そうでない人の間にも“必要だと思わないことには資金を投じない”勇気のようなものが広がっています。その勇気の本質がどうであれ、『保険?、ああうちはそんなもの考えない』と言っても、なんら痛痒を感じない社会通念が強まって来たという意味で、保険営業には“逆風”であることに違いはありません。
  もはや、生命保険の応酬話法が“効かない”のは、生命保険の“ステイタス性”という“ひっかかり”が、ユーザーサイドに薄くなったからでしょう。もちろん今でも、見栄を張る人には、たとえ生命保険の必要性を感じていないケースでも、応酬話法で保険を売ることが可能かも知れません。
       
   
    【04】 “効く話法”を考えるべき時
   
        では、“ステイタス”発想が薄い層には、どんな“話法”が効くのでしょうか。一口に言うなら、それは、こう言って良ければ“正しさの感覚”を基礎にした“お話”に他なりません。たとえば『私は保険のプロとして、こういう(生命)保険に入るのが正しいと思いますが、あなたはどうですか?』という問いかけです。もちろん、いきなり“保険の話”では、単なる売り込みだと思われますから、『私は正しさの感覚(見識)を持っている』と感じさせる準備段階が必要です。(⇒準備段階サポート資料ご案内
  いずれにせよ、ステイタスや流行で生きない(と頑張っている)人たちには、本物の勇気人も含め、常にと言って良い程『私はこれで良いのだろうか』という疑問が湧き上がります。良くも悪くも、欲すると否とにかかわらず“湧き上がる”のです。それは温泉のようにブクブクと、現代人の心の中に“ストレス源”という形で定着します。
  そうでなくても、現代人は『それでいいの?』と言われるのが最も嫌でしょう。なぜなら“ステイタスや流行を追わなくなる”と、自分の“存在”自体を必要以上に意識させられるからです。『これでいいのだろうか?』と…。だから、ついつい“とじこもりたがる”のかも知れません。
       
   
    【05】 ただし“弱点”攻撃は逆効果
   
        その“とじこもり傾向”のために“他者の話は絶対聞かない”という人も増えます。聞くと自分が不安になるからです。あるいは、突拍子もない恰好をして、周囲の感覚を“突き抜けて”しまえば、誰からもうるさく言われなくなる分、自分のポジションは落ち着いたようにも思えます。
  それでも、心の底は自分は“これでいいのか”どうかで、そわそわしているでしょう。他者の話を拒絶したり、突拍子もない恰好ができなかったりする人たちは、なおさらでしょう。だから、そんな弱点を利用して…、と申し上げたいわけではありません。他者の弱点を突くのは、一時的な勝負には効果的でも、長く続けているうちに、必ず“反撃”されますから、決して得策ではないのです。特に、弱点を突かれた人は、突いた人への恨みを忘れることがありません。
  一時“しのぎ”の心理ゲームは、大変危険です。では、どうすべきなのでしょうか。
       
   
    【06】 ではどうするか…
   
        それが、上記【04】で申し上げた『私は保険のプロとして、こういう(生命)保険に入るのが正しいと思いますが、あなたはどうですか?』と問いかけることなのです。あるいは、準備段階を経て、その問いかけができる“環境”を作ることです。
  自分の生き方が“これでよいか”どうかで悩む人や迷う人、あるいは考えると分からないのでフタをしてしまっている人には、“これが正しい”というまとまった話と、それを決して押しつけず『どうですか?』と問うのが、徐々に効果を発揮するはずです。
  ただし、効果的と言うと“保険が良く売れる”と限定的に捉えないでください。保険に入るかどうかはユーザーの価値観と資金力によります。ここでの“効果”とは、“まじめに保険を検討してくれる”ということです。
  我が日本人は、一時ほどリッチではなくなりました。将来への楽観も、今やほとんどありません。そのため、決断の前に入念な検討を要する人が増えたのです。それは、とりもなおさず、“検討”させなければ保険は売れないということです。
       
   
    【07】 ストーリー・テラー(お話をする人)としての保険営業活動
   
        そのため『面談した客は全て落とす』という意気込みより、できるだけたくさんの人に“検討を始めさせる提言をする”方が、コストパフォーマンスが良いだろうとさえ言えるのです。その意味でも、“ああ言えばこう言う”で食い下がる応酬話法より、たとえば『5分ください』と言いながら、『私はかくかくかように保険が必要だと思う』という、お決まりのストーリーを話して歩いた方が、今の状況にはマッチしていると言えそうなのです。
  そのためしばしば、生命保険も“セミナーの先生”になったつもりで、保険必要ストーリーを語る方が良いと申し上げているわけです。もちろん、本当にセミナーの講師も(いずれ)やるべきですが、まずは応酬話法ではなく、“セミナー・トーク型話法”を身に付けるべき時に来たと言えるかも知れません。
  セミナー講師か普通のトークかは、結局のところ、30〜60分話せばセミナー講師であり、5分や10分程度の話ならトークになるという“量の違い”に過ぎないと思います。
     
   
    【08】 準備段階を経なければ先は見えない!
   
        ただ、一方的に話をする時の“ポイント”は、話し手である保険営業の皆様方に、聞き手である顧客が“見識を感じる”のでなければなりません。自分が正しいかどうかをチェックする材料が欲しい現代人は、“見識のない人の話”など、ムダの極みだとしか思わないからです。
  『ああ難しい』『ああ面倒だ』と、お感じになるでしょうか。もしそうならば、準備段階を経ずに、いきなり成果に向かっているからかも知れません。今、そんな向こう見ずな活動が継続的な成果を上げるほど、安泰な世の中ではないのです。(⇒準備段階サポート資料ご案内
       
   
    【09】 “保険の見直し”以上に必要な“トークの見直し”
   
        メリットでキャッチして、応酬話法で契約を獲得するというスタイルは、徐々に、あるいは急速に過去のものとなりつつあります。しかし、保険のメリットも知らず、応酬話法にも応じない人たちへのアプローチ方法は、決して“ない”わけではありません。
  まずは、保険から程遠い人や自分が契約した保険の意味さえすぐに忘れる人たちに、どう接すれば“深いコミュニケーション”ができるのか、そんなことを研究するタイミングに、今来ていると言えるのでしょう。ユーザーが保険を見直すように、保険営業者の皆様も“トーク”を深い部分で、見直す時に来ているのです。
       
     
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