保険営業者のためのマーケティング&コンサルティング、ヒント集
 
 
 
 
 
 
 
 
 

保険営業者のための小さなヒント集

株式会社エフ・ビー・サイブ研究所
             
【Vol.025】総合戦略:同業者の中で“際立った”存在になる“現実的”方法(1)
             

  少しでも競争力のある保険商品は“ネットや窓販で売る”というのが、今後はさらに“常識化”するかも知れません。普通の販売形態でも“売れる”からです。もちろん、今のところは“保険商品”も価格でしか競争していないようですから、保険営業者の皆様には、あまり関係ない話かも知れません。
  しかし、今後、保険営業者は“あまり特徴のない商品”を売らざるを得ないとしたら、従来から言われ続けている“営業者としての存在感(他の営業者との違い)”が、更に重要になってくるはずです。


             
   
    【01】 『保険を売る前に自分を売れ』ってどういうこと?
   
        『保険を売る前に(営業者が)自分を売れ』という古い言い回しは、現在、ますます重要になってきているかも知れません。数が減ったとはいえ、大勢の営業者の皆様が、縮小を続ける保険市場に“殺到”するなら、今後は更に“存在感”を高めなければ、保険ユーザーの“目にも留まらない”懸念すらあるからです。
  しかし、従来から『保険を売る前に自分を売れ』という言葉自体にも“問題”がありました。その問題とは、『では、どうすれば自分を売れるのか』という問いに、必ずしも実践的な答がなかったことです。あるいは『自分を売るとは、現実的にはどうすることなのか』が、それほど深くは考えられていなかったと言うべきでしょうか。
       
   
    【02】 色々な考え方があるけれど…
   
        たとえば、清潔な服装を心がけ、髪をきれいにすると、他の営業者の中で際立つという類の話がありました。あるいは、マナーで差を付けるとか、高級車に乗って営業をするとか、保険の設計書に表紙をつけて製本するとか、様々な“存在感アピール法”があったわけです。
  もちろん、個々の方法が間違いだとか効果がないとか申したいわけではありません。ただ、その程度の“存在感”なら、全てでなくとも、多くの営業者が実践すれば、“無いに等しくなる”だろうと申し上げているわけです。もっと“決め手”を感じる方法は、本当になかったのでしょうか。
  『いやいや、見識で勝負をすれば存在感は高まる』という考え方もあります。
       
   
    【03】 見るべきところを見ていない?
   
        たとえば、リスク・コンサルタントやファイナンシャル・プランナーの肩書で、“専門的なアプローチ”をすると、存在感は高まる…、でしょうか。否、本当に専門的で高度な話は、ユーザーが理解しないという意味で、なかなか役に立ちません。専門知識を売り物にすると、こう言ってよければ、他の保険営業者の“教育”者にはなれても、営業者としての存在感が、必ず出るというものでもないようなのです。
  しかも、今や、つい最近保険営業を始めた人でも“コンサルタント”や“プランナー”の名刺を持っています。肩書もまた、“存在感”を高める“決め手”にはなりそうにないのです。では、現実問題として、保険営業者の皆様が同業者の中で“際立った存在”になることは不可能なのでしょうか。
  もちろん可能でしょう。それが不可能に見えてしまうのは、見るべきところを見ていないからかも知れません。
       
   
    【04】 “合唱コンクール”理論?
   
        その見るべきところとは、“ユーザー(顧客)の立場”です。それを分かりやすくするために、“合唱コンクール理論”と呼ばれるものがあります。
  たとえば、どこかの合唱コンクール会場に出かけたとしましょう。合唱は、たくさんの人が、同じような服を着て歌います。大きな口を開けるので、形相も変わります。どの人も、これと言って、見分けるべき特徴がありません。
  しかし、そんな中で、必死で“出演者”をよりわけようとする人がいます。それは、出演者の家族や知人、友人等に他なりません。あるいは、知人でも友人でもないけれども、『この中に知人の恋人がいるのよ!』となれば、聞き手は血眼で“探し”始め、見つけ出すまで探すのをやめないでしょう。
  その時、特定の出演者の“存在が際立っている”と言えないでしょうか。
       
   
    【05】 営業者の存在感の源泉が“そこ”にあった!
   
        つまり“存在が際立つ要因”は、清潔さやマナー、あるいは専門見識のなせる業ではなく、保険のユーザーが『ああ、この人知っている』と感じる“思い”の中にあるはずなのです。もちろん、出演者の中で“とびきり美形”だとか、“背が高い”とかの印象は、知る知らないにかかわらず残りますが、合唱が終わると、聞き手は、その人の顔さえ忘れているでしょう。
  『保険を売る前に(営業者が)自分を売れ』という話に“答”を付けるとすれば、それはまさに『保険を売る前に、“ああこの人知っている”という状況を作れ』と言えるかも知れません。 ただ、まだすっきりしません。では“ああ、この人知っているという状況”は、どう作ればよいのか分かりにくいからです。そもそも、他人の“知っている”という意識に潜入したりできるのでしょうか。
       
   
    【06】 “知っている”という実感はどこから生まれるか?
   
        他者の意識には、潜入することはできませんが、普通、どんな時に“この人を知った”と感じるかを考えると、話が早くなります。そして、そこに“3つの要素”があることが見えてくるのです。その“3つの要素”は、申し上げるまでもなく、そのまま“自分の存在感を高める要素”と重なります。
  さて、その第1の要素は『相手も自分を知っている』ということです。合唱を聞きに行った時、音楽ではなく、出演者との関係の上でワクワクするのは『自分を知っている人が舞台にいる』ということなのです。本当にどうでもよいことなのに、『ほら二段目の右から三番目は甥よ。そして、その斜め上が高校時代の後輩、前列の左端は、お隣の長男さんなの』等とはしゃぐ人がいるでしょう。
  私たちが“この人を知っている”と心から実感するのは、実は“相手も私を知っている”と確信できる時なのです。表面的には“知っている”という言葉ですが、心の中では『私は、この人に知られているのよ』と叫んでいるということです。ご自分自身や周囲を“観察”してみてください。
       
   
    【07】 だから情報発信だったのだが…
   
        そのため、大勢の人を相手にする営業者の皆様が、“顔を覚えている”、“挨拶をする”だけで、保険ユーザーは実は“うれしい”はずなのです。そして、挨拶をしない他の営業者などとは比べものにならないくらいの“存在感”を抱いているわけです。
  その傾向を更に深化させるために、以前から“会社のパンフレットではなく、自分の名前で出す情報発信”をお勧めしていました。無作為に出すパンフレットやダイレクトメールでは“モノ”の印象が勝ってしまいますが、発信者の名前が入ったワープロ文書には、こう言ってよければ、“人のにおいがする”からです。
  しかも、その発信を“継続”すれば、それ自体が『私はあなたを知っています。関心を持っています。忘れていません』という意思表示になり、見込み先形成にも既存先防衛にも、一定の効果を出すと期待できるわけです。
       
   
    【08】 今や第2第3の要素も必要になった!
   
        ところが、昨今、“情報発信”手法自体が流行してしまい、ただ“発信している”というだけでは、目立たなくなってきました。あるいは逆に、“会社の印刷物以外一切使うな”という、営業者を信頼しない企業姿勢が露骨になるに及び、独自の情報発信をしないで、“あなたを知っています”と表現できなければならなくなった、と言うべきでしょうか。
  そこで、第2、第3の要素が重要になってくるわけです。それはもちろん、情報発信をしていてもしていなくても“重要”になることです。詳しくは、次回に致しましょう。
       
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