保険営業者のためのマーケティング&コンサルティング、ヒント集
 
 
 
 
 
 
 
 
 

保険営業者のための小さなヒント集

株式会社エフ・ビー・サイブ研究所
             
【Vol.022】保険提案:提案の効果を高める保険営業者の“存在感”演出法(1/2)
             

  保険営業では、申し上げるまでもなく、保険を売らなければ収入になりません。“営業活動”は、いくら費用や時間がかかっても、売れなければ一切報われないのです。
  しかし、本当に“営業活動の対価”は作れないのでしょうか。もちろん、顧客から金銭を貰うことはできませんが、“営業活動の対価”を、改めて意識し直すと、保険提案の効果を、意外な形で高めることができそうなのです。


             
   
    【01】 保険営業者の立場は弱くなりがち…
   
        保険会社は、営業者の皆様に“営業マージン”を支払う主体ですから、立場が強いように思えます。強いように思えるどころか、“営業者の尻叩き”が自分の仕事であるかのように思っている保険会社の担当者も多いでしょう。
  逆に言うなら、皆様方は“尻を叩かれる”立場であるわけです。尻を叩く方は、それほど意識していないかも知れませんが、叩かれる側は不快な時もあるでしょう。しかし、保険営業は保険が売れるまでは一切“カネ”にならないのですから、不快さも甘受しなければなりません。
  しかし、1つ出口があるように思えるのです。
       
   
    【02】 しかし“客の尻をたたく”ことはできる?
   
        その出口とは、保険会社の担当者を叩き返すことではなく、逆に“客の尻を叩く”ことです。そうでなくても、客に対して、もう少し“強い立場”を取ることです。それが“営業者の存在感”あるいは“営業活動の対価”という言葉の“背後”にあるものなのです。
  “存在感”は分かりやすい言葉であるとしても、“営業活動の対価”とは、どういうことでしょうか。そこで、営業のAさんと顧客のKさんを想定して、両者の“感覚”を追うことに致しましょう。
       
   
    【03】 保険営業者に対して横柄な客も…
   
        顧客のKさんにとって、保険営業活動はすべて“無料”です。ガン保険や生命保険のパンフレットを一式もらっても、Kさんは何も支払う必要がありません。営業のAさんに来てもらっても、時には喫茶店で一緒にコーヒーを飲んでも、Kさんは何も支払いません。
  それどころか、顧客のKさんは、営業のAさんの『話を聞いてあげている』というスタンスさえとります。なぜKさんは、そんなに偉そうなのでしょうか。そもそもKんは、いつでも誰に対してもそんなに偉そうなのでしょうか?
  いいえ、そうではないようです。Kさんが歯医者に入って行く様子を見ていると、受付の若い人にも丁寧です。先生には、作り笑いまで浮かべて、愛想を振りまいています。なぜ、こんなに態度が変わるのでしょうか。
       
   
    【04】 怒らせたら損をするから…
   
        それはもちろん、歯医者を怒らせると、文字通り痛い思いをさせられるからでしょう。つまり、顧客のKさんの無礼と、歯医者の荒治療?が“対価構造”にあるわけです。もちろん、現実にはそんなことはないのでしょうが、少なくとも、歯医者に対して卑屈になるKさんには、そんな思いがあるはずです。
  そんな風に顧客が謙虚になってくれるなら、“顧客が無礼な時は、保険営業者が顧客にマイナスを与える”対価構造があればどうかと考えてみたくなるのです。『そんなバカな』と思われるでしょう。しかし、顧客の無礼に対し、適切?に返礼する“関係の強さ”がないために、保険営業は苦労が絶えないのではないでしょうか。
       
   
    【05】 歯医者先生と同じ立場をとる!
   
        そこで、やや乱暴ですが、こんなことを考えてみます。つまり、顧客のKさんが、保険営業のAさんを、歯医者同様に重要視する“材料”探しです。そんな“材料”は、顧客のKさんの考えよう次第で、現実になり得るかも知れません。
  たとえば顧客のKさんが、『保険は保険会社というメーカーで作る商品だが、保険営業者という現場のプロによってカスタマイズ(自分に合うように再設計)してもらわなければ、自分の役には立たない』と思っていたら、“対価”は少し変化するでしょう。
  逆に言うと、顧客のKさんが“営業担当者の皆様の再設計(カスタマイズ)の重要性”に無頓着だから、平気で営業のAさんに無礼を働くのではないかということです。
       
   
    【06】 それが現代的な保険営業者の“存在感”
   
        それが多分、昔から言われていた“営業者は保険を売る前に自分を売れ”という言葉の真意なのでしょうが、その内容が昔と今とでは、大いに違うと思うのです。つまり“信頼できる”とか“親切だ”とか、“感じが良い”とか、そんなプラス面で“自分を売って”も、顧客は必ずしも、その価値に気付かないのが現代だということです。
  なぜかというと、長い話を短くしてしまうなら、顧客は“営業者にとってプラスなこと”では決して得をしないと知っているからです。そして、顧客が別に得をしないのに、営業者が親切なのは、『きっとそうした方が、この営業者が得をするのだろう』などと、あらぬ思いを抱くからです。
  言い過ぎになるでしょうが、そのため顧客のKさんは、営業のAさんが親切にするほど、つけ上がるというか、無礼になります。きっと営業のAさんのことを、『そこまでするほど得しているのだ』と勘違いするからです。
       
   
    【07】 実践的には…
   
        そのため“プラス面”よりも“マイナス面”で勝負する必要があるのです。ちょうど、『歯医者をおだてても、やはり治療は痛いが、たとえ無愛想な歯医者でも、怒らせたらもっと痛い』という社会通念に類するものを“作ろう”と考えてみるわけです。
  やや“性悪説的”な側面からアプローチしましたが、今日的な“保険営業者の存在感形成”は、歯医者の例のように、“保険営業者を怒らせたらまずい”という“マイナス面の対価構造”を作るということです。その方向は、すでに申しました通り、“カスタマイズ”にあるのですが、次回、“性悪説的”視点を脱するとともに、もう少し“実践的”に考えてみましょう。
       
       
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